また出会って恋をしようよ…

私と同じ会社で60歳定年で退職したOさん、遠くの地で一人住まいの高齢のお母さんを毎週末訪ねて、介護をしていました。
4人の男の子どもたち、高校で野球をしていた子の応援、グランド整備等のサポートをしていました。
会社では、役員で難しい折衝や交渉を黙々とやってくれていました。おだやかな人柄で信頼を集めていました。
60歳の定年を迎え、まだ会社に残ってくれると思っていたのですが、年老いた母の面倒をみたいので退社しますと、惜しまれながら去っていきました。
後で知ったのですが、その時、すでにOさんの体を癌がむしばんでいたそうです。健康への不安があったのかもしれません。
まだ、働きたかったと言っていたことを後で知りました。
…8月1日、Oさんが亡くなったとの訃報が届きました。
63歳という若さでした。
お通夜には、彼の人柄を偲ぶように、ほんとうに大勢の人が弔問に訪れました。
0さんの奥さまと4人の子どもたちは、気丈に、そして丁寧に弔問客を迎えていました。
そして、引き出物には、奥さまのお礼状が添えられていました…
「ともに過ごした日々を偲んで」
どれだけ記憶を辿ってみても、思い浮かぶのは優しい姿ばかりです。
夫は本当に家族想いな人でした。現役時代、どれだけ仕事が忙しくとも早起きして、野球に励む息子達の応援に行っていたことをよく覚えております。
時が経ち、孫が産まれてからも大きな愛情で皆を包み込んでくれました。
夫にとって家族は何よりの宝だったのでしょう。私達にとっても夫はかけがえのない存在でした。病が分かってからも取り乱したり、嘆いたりすることもなくいつも通り優しく私達に寄り添い、旅立つ前には「幸せな人生だった」と私に感謝まで伝えてくれました。そして最後まで私の頼れる伴侶で、息子達の格好良い父親であり続けてくれました。まだこれからやりたかったことは沢山あったはずです。
それでも周りの方々とのご縁を大切に精一杯歩んでまいりました。
そんな夫と家族になれて本当に良かったと思います。
「また出会って恋をしようよ 次も私を探してね」胸に溢れる想いが届くよう願っています。

~妻Hより